2017年09月18日

視点が画面全体へとゆきわたるよう配慮がなされている

エルミタージュ地区旧道の上方に位置する18世紀に建てられた農家の赤い屋根。本作は80年代まで中心的画題であったセーヌ川下流オワーズ川流域のポントワーズの裏側にあるエルミタージュ地区の風景を描いた作品のうちのひとつである。

観者の視界を絶妙に遮る果樹園の木々。≪赤い屋根≫と呼称されるゆえ、赤い屋根の家々部分に観る者はその観察を奪われがちであるが、前景に配された果樹園の木々が絶妙に観者の視界を遮り、視点が画面全体へとゆきわたるよう配慮がなされている。

大ぶりかつ大胆な筆触。やや小ぶりな画面ながら、細部の描写においても、また構成・色彩など全体的な完成度や観者の心象へ訴えかける高い表現力などから、本作は画家が描いた同地近辺の田園風景作品の中でも特に代表作とされている。
視点が画面全体へとゆきわたるよう配慮がなされている



Posted by ハタスちゃん at 11:05│Comments(0)
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